女性 の輝く未来を切り拓くモノ・コト
第8回 女性のあした大賞 2023
♢ 女性のあ した大賞とは
活躍する女性が増える中で、女性特有の変化激しいライフイベントとその後のライフコースを思うように描きにくい現実が起きています。そんな女性たちの悩みや不安を解決し、少しでも生きやすい社会につながる「モノ・コト」を提供する企業活動に対して、表彰するものです。女性のあしたが輝くことは、子ども、家族、社会のしあわせにもつながります。
♢ 2023年 受賞9社
本年度は、最優秀賞1社に加え優秀賞として「商品部門」「サービス部門」「ソーシャル部門」「フェム部門」「プラチナ部門」5ジャンル合計9社を選出しました。"令和時代の女性の生き方"へ影響を与えるモノ・コトが表彰される結果となりました。
♢ 選考方法
・女性インサイト&トレンド月刊レポート「HERSTORY REVIEW」編集委員
・女性インサイト総研HERSTORY 特別フェロー(学識者・専門家)
・一般女性モニター1000名アンケート調査
上記のメンバーにて、事前に自薦・他薦の候補企業を募集し選考委員会で選考しています。
♢ 選考基準
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女性の生活を助ける、よりよくする便宜性、実用性の高さ
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女性の気持ちが上がる、わくわくする五感、情緒性の印象度
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女性の社会進出や活躍、参加、共創などの行動化
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女性が買いやすく手に取りやすく使いやすい直感性の配慮
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女性が他にクチコミしたいと主体的に感じるインパクト
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地球に、未来に、次世代に、SDGS、ソーシャルな配慮
♢ 女性のあした大賞2023授賞式
日時/2023年12月6日(水)14時
場所/赤坂インターコンチネンタルカンファレンス
2023 WINNERS
第8回 女性のあした大賞2023 受賞企業発表
【 最優秀賞 】
時間で選ぶ、おいしい栄養「Cycle.me(サイクルミー)」の取り組み
(株式会社ドットミー、株式会社セブンーイレブン・ジャパン)
(左)株式会社ドットミー 代表取締役 知念様(右)株式会社セブン-イレブン・ジャパン 執行役員 山口様
■ 受賞理由
選考委員からは、初めて目にしたときの衝撃が口々に出ました。おしゃれなデザイン、おいしい食を時間帯ごとに選び、栄養を届けるという「時間栄養学」の提案は、忙しい女性たちの気分と健康を両面から刺激。身近なコンビニでの展開も大きな評価となりました。
■ 受賞スピーチ
時間・デザイン・味にこだわった新しい食習慣
「Cycle.me(サイクルミー)」は、朝・昼・夜の時間帯ごとにおいしい栄養を選べる食生活をお届けしています。元々EC販売で展開していましたが、現在はセブンイレブン限定のオリジナルシリーズなども手掛けており、全国2万店を超える店舗で「Cycle.me」をご購入いただけます。
限定シリーズでは、「時間栄養学」「デザイン」「おいしさ」の3点にこだわりました。「時間栄養学」とは、タンパク質や食物繊維などの栄養素は、時間によってより効果的に摂取できるという研究です。広島大学大学院医系科学研究科の田原優准教授のアドバイスを受け、この「時間栄養学」を取り入れた商品開発を行っています。
2つ目のこだわりは「デザイン」です。女性がオフィスや自宅で使用しやすいよう、シンプルな時計のデザインと、必要最低限の文言での訴求を行いました。
3つ目の「おいしさ」では、毎日続けてもらうためにも味にこだわった商品が必要だと考えました。そこで飲料メーカー・製菓メーカーに協力を仰ぎ、おいしさを追求した商品作りをいたしました。今後も「時間で選ぶおいしい栄養」という視点を大切にして、ウェルビーイングの新習慣を社会に提案していければと考えています。(知念様)
1973年に創業したセブンイレブンは、多忙な男性たちの食事購入を24時間支えてきました。現在の利用者層はいまだ男性が多く、圧倒的に若年層が離れるという変化が起きています。
そんな中驚いたのは、刻んだカリカリ梅を混ぜた丸いおにぎりを販売したところ、「ピンク色がかわいい」という理由で若い女性が多く買ってくれたことです。「おにぎりの見た目」という想像もしなかった理由でおにぎりが売れるのを見て、これまで考えてきた商品の作り方や陳列などの概念が崩れました。
どんどん多様化する流れの中で、そこに応えられる店舗作りが必要だと思い、今回お客様にご提案したいストーリーとして「Cycle.me」の販売に取り組むことになりました。今後もぜひこのような物語を紡ぐお手伝いができたらと思っています。(山口様)
【 優秀賞 】
◆優秀賞:商品部門
マッサージアイテム アテックスルルド
(株式会社アテックス)
■ 受賞理由
一般女性消費者アンケートで「今年に入って購入した商品・サービス」で最も声が挙がった「アテックスルルド」。マッサージクッションなど、女性にとってトキメク色、形、機能をバランスよく考えた商品が多いとの声多数。インテリアとして馴染み、家族で使えると好評。
■ 受賞スピーチ
女性が扱いやすいサイズ・機能・デザインを追求。フェムテック分野への挑戦も
「アテックスルルド」は「すべての人の毎日をハッピーにする トキメキあふれるセルフケアアイテムで あなたらしさもっと輝く」というコンセプトを掲げ、女性視点を取り入れた商品開発を行っているブランドです。
このブランドは2009年、赤色の四角い「ルルドマッサージクッション」を発売したことがきっかけで始まりました。当時は、大きくて重い大型のマッサージ機が主流の時代でしたが、そんな中女性開発者が「女性でも使いやすくてインテリアに合うものを」という点にこだわり、商品作りに励んだのです。残念ながら、開発初期はあまり会社の賛同を得られなかったものの、強い想いを持って開発に長い時間をかけた結果、このマッサージクッションが生まれました。
この商品は女性でも軽々持ち運びができ、クッションとしてソファに置いておけるだけでなく、疲れた時はマッサージ機として体を癒やしてくれるとして、大きくヒットしました。発売の翌年には100万台を突破する勢いで売れ続け、会社としても大きな看板商品になりました。このヒットをきっかけに、「アテックスブランド」として女性の視点をもっと取り入れようという意識が高まり、その後の商品開発では女性視点を重視して商品作りを行ってきました。機能性はもちろん、小柄な女性でも扱いやすいコンパクトさ、軽さ、そしてデザインにもしっかり目を向けて商品化を行っています。
女性視点というところから女性を応援していこうという流れもあり、2018年からは「日本乳がんピンクリボン運動」を支援し、商品の売上の一部を寄付してきました。また、多くの方にこの運動を知ってもらいたいと考え、当社のホームページやショールームでポスターを掲示するなどの啓蒙活動も行っています。
2021年は改めてフェムテックというジャンルで商品導入をしてみようと考え、「フェムテックオンシリーズ」の商品をリリースもしました。女性視点から始まった「アテックスルルド」は、今後も女性に寄り添える、誰もが使いやすいアイテムの開発を継続していきます。
【 優秀賞 】
◆優秀賞:サービス部門
冷凍幼児食のEC事業「Kidslation」
保育園設置自動販売機による惣菜販売事業「タスミィ」
パッチワークキルト株式会社
(左)岸様 (右)石 井様
■ 受賞理由
働くママたちからの強い推薦があがった。離乳食は普及しているが、幼児食がなくて困っているので、もっとこの事業が広がってほしいという切実な声が集まった。開発者のパパのワンオペの苦労体験から生まれたことも共感を呼んでいます。
■ 受賞スピーチ
販売チャネルを工夫して即席幼児食の市場を切り開く
「Kidslation」は冷凍幼児食のサブスクリプションサービスです。幼児食に注目した理由は、レンジ調理などですぐに食べられる離乳食が多く販売されているにもかかわらず、1歳半以降を対象にした「Ready to eat」(即席食品)の幼児食が世の中にまったくなかったことでした。
2023年1月からスタートした「Kidslation」には3つの特徴があります。
① おいしさをキープするための冷凍食品
② 好き嫌いの多い子どもに合わせて多種類をそろえたEC販売
③ 保護者の発注の負担を軽減するため定期便を導入
なかでもこだわっているのが、栄養バランスです。子どもが食べ慣れている保育園給食をベースにした献立を開発し、野菜も5種類以上必ず入れるように工夫しました。
また、常に冷凍庫が一杯の共働き世帯を想定し、薄型パウチにすることで冷凍庫のすき間でも収納できるようにしました。今後も「Kidslation」を通じて、今はまだない「Ready to eat」の幼児食市場を創り出し、定着を目指していきます。(岸さん)
2つ目の事業として行っているのが、保育園に設置した自動販売機で総菜を購入できる「タスミィ」というサービスです。この事業を始めたきっかけは、私が120日間ワンオペで育児を行っていた原体験です。その時に育児を抱えながら働く女性というのは、こんなにも大変なんだというのを強く感じました。1人の父親として、妻の負担を軽減すると同時に、自分の娘が過ごす未来に向かって社会を良くしたいという気持ちが芽生え、この春から「タスミィ」を進めています。パウチ入りのレンジ対応総菜である「タスミィ」は、園内の自動販売機で購入できます。通園されている保護者や、保育園で働いているスタッフの方に重宝いただいています。
現在は関東22カ所に展開しており、順次範囲を広げていきたいと取り組んでいるところです。平日の夕食の用意が1日のうちでもっとも大変なので、「タスミィ」を利用して圧倒的に楽になることで、家庭の温かい時間を増やしていただけるといいですね。(石井さん)